2006年5月10日(水)
ロンドン・晴れ
今日は、再びexam writing classに参加するために学校へ、それから図書館で調べものをした後、クラスメートにノートを返すために会いました。
試験の受け方講座のクラスでは、実践での時間配分に基づいて、エッセーのイントロ部分を書かせたり、構成方法や採点者の視点を教えてくれたりと大変興味深いクラスです。クラスは2時からだけど、1時半前に到着、空き教室でクラスが始まるまで、ジャーナルを読んで過ごしました。
講座の後、学内にあるいくつかの図書館の1つに行きました。ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)というアイルランドの作家の名前を冠した図書館で、とても静かできれいなところ。こちらでは前学期まで毎週音楽コンサートが開かれていましたが、今は試験期間ということもあり、学生が何人か、ソファに座って勉強をしていました。そこで、同じ職場の違う国で働いている人と再会。彼女はすでにアメリカで公衆衛生のマスターを終え、10年働いて再度大学院に復学という、強者です。静かな図書館だったので、笑顔で会釈だけして、こちらで1時間ちょっと読書。
上記の空き教室での読書も、図書館での読書も、すごいはかどりました。場所を変えるだけでも、全然違うのですね。
それから、ジーンと再会。
ジーンがカフェラテをご馳走してくれて、学校のメインビルディングの前で座り込み、1時間ほど語っていました。話の内容と言っても、
アメリカは帝国だろうかという議論(かいつまんで言うと、ジーンは、過去の帝国(ビサンチン、ハプスブルグ、イギリス等)のような帝国主義、植民地主義的な要素を持っていない、つまり他国の領土を支配するということはしていないから、アメリカは帝国ではないという意見。彼はアメリカ人なので、アメリカを擁護するのは当然ですね。私は実はそれに賛成なのですが、それではつまんないから、反論。つまり、過去の帝国が持っていた要素を持っていないからといって帝国ではないと言い切れるだろうか。新たな種類の帝国という見方もあるのでは。例えば、アメリカは圧力を使って、暗に他国の行動や運命を決定している。世界中に基地を持ち、グローバリゼーションを活用している(グローバリゼーションは、政治的に中立的なプロセスではないから、アメリカなどの自由民主主義国家が自国の力を広める要素として利用していると言える)が、それは間接的な支配では)、卒業後どうする?という話、途中でヴァシリも参加し、択捉は日本のものとか、何とかという冗談めいた話、「コネの作り方」というセミナーがPh.Dの学生向けにやっていたらしい、などの情報交換をしてきました。
ジーンは、知り合いの中でも紳士な人です。建物の外側にある階段に座って話すときも、自分のノートを出して、この上に座りなさいって。それはダメだから、と学内のチラシを探して彼に渡しましたが、いつもこういう調子です。彼には、知り合いも多く、クラスメートだけではなく、学食の給仕の方がたも、彼のことを知っています。でも、本人は「本当は外向的(extrovert)に見せるのは疲れるけれど、こうしていないと人が周囲にいてくれなくなるから、頑張っている」という話を時々ボソっとします。彼の無理具合を時々垣間見るので、言っている意味が分かります。
クラスメートや寮生に会っても、皆んな驚くほど元気で、沢山話しかけてくれますし、一緒に料理をしたり、買い物したりすることも日々ありますが、一人で外国で暮らし、一人で勉強していることから、一つ一つの出会いがとても大切な物になるのかなとも思います。仲間意識も強いのでしょうね。私にとっても、学校や寮での一つ一つの会話がとても大切だし、温かい思いをする機会でもあります。そして、彼らとは試験が終わったら離れ離れになるけれど、志の近い人とはきっと、つながりを保てることでしょう。ともかく、勉強は一人でするものであり、いつも人々と群れてもいられませんから、仕方ないですね。
ともかく、何となく彼に同意しつつ、ジーンのご苦労を察してみたりしたのでした。
1時間ほど語り、そのまま歩いて帰宅。途中であまりにおなかがすいたので、スーパーMarks and Spencerで菓子パンを1つ購入し、例によってロンドン市庁舎の前のベンチに座って、ハトにもおすそ分けしながら、パンを食べたのでした。
さて、もう一息頑張ります。
寮の近所。「ブリジットジョーンズの日記」に出てくる、ブリジットの彼氏であるマーク・ダーシー(コリン・ファース)もここに住んでいることになっています。