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社会人が大学院生に戻るということ
このところ気持ち的にも余裕のない生活を送っています。本を読んでも、文字が上滑りしているというか、頭に入らず、壁に貼られた絵をみると、目がぐるぐる回りだすようになってきたことから、木曜日、金曜日の夜は早く寮に戻り、10時前に眠っていました。

おかげで、かなり元気になりました♪今日こそ昨日終わらせられなかったエッセーを書き上げたいと思います。

ロンドンに来るまで、大学院生ってけっこうのんびりと勉強できるのかなぁと思っていたのですが、とんでもない。想像以上に追い詰められた生活を強いられます。
寮の友人、アキさんも、冬休みを返上して論文を書いていたため、気持ち的に辛くなり、今週は勉強をしないと決めてすごしているそう。皆んな同じなんだーとちょっとほっとしてもいます。

ただ、これは当大学院のカリキュラムの問題だけではなくて、社会人経験者であることが影響しているのかもしれません。

ロンドン(イギリス)の多くの大学院は1年間で修士号を取らせるということで、中身が非常に濃いとは聞いていました。私の所属する国際関係専攻では、今学期10週間でエッセーを6本提出しなくてはなりません。2週間で1本強、まだ学んでもいないことを、1本のエッセー当たり、推奨図書50冊以上の中から、好きなだけ本を読んで考えをまとめるのは大変です。同時平行で毎週レクチャー3つ、セミナー3つに参加するのですが、予習をしないと、口を固く閉めた貝みたいにしてそのクラスに座っているだけになってしまう。1年の高等教育で、ある分野の修士号(Master 's degree)を取る(≒マスターする)ためには、それなりのものを大学院側も課さなくてはならないのは、ある意味当然のことではあります。それに、このカリキュラムは、学生全員にとってキツイはず。

社会人を経験した後大学院へ行くというのは、1年の労働機会を捨て、なおかつ金銭的・時間的な自己投資をするという決断をし、強い目的意識を持って、はるばる勉強する環境に来るということ。ここから自由に学べるという嬉しさを得られますが、学生生活が進むにつれて、留学前に持っていた勉強に対する希望や気負い(ex. ある分野の専門家になれるくらいがんばらないと!とか。実際1つの科目を極めるには1年では無理)が壮大な野望であったことに気づき、語学のハンディーを否が応でも感じ(英語を母国語とする人たちと比べたらね~)、セミナーに参加して発言できないとここに居る意味がないという意識を常に持ち、時間が刻々と進むにもかかわらず、自分がほんとうに前進しているのか分からないという気持ちが焦りに変わり、自分で自分を追い込み始めます…。

つまりは、社会人が学生に戻る時に持つ、強い目的意識がこうさせるのではないかと思います。ちなみに、学生しか経験していない人に目的意識がないという意味ではありませんよ。学部から直接来た学生を見ると、国籍の違いに関わらず、自分のペースで勉強できているようです。このバランスが、ウラヤマシイ。

とはいえ、そんなときに、周囲の方々から色々ご助言をいただいたり、助けられたりするのですね。

元同僚から、「『今、何をすべきか?』という必要性と『自分で何ができるか?』という可能性を天秤にかけて、そのとき、自分にとって『楽』な方を選ぶとちょうど良いですよ。そうすればきっと、修士も取りつつ、心に残る1年となることでしょう。」とのこと。ロンドンにいらっしゃる方から、大学院生としてロンドンにいる間は、各種イベント行事への参加を通じて、将来を見据えた活動のできる貴重な機会であることを教えていただいたり。

修士号に進む社会人は、前の職よりもステップアップを図りたいなどなど、各々の目的があると思います。他の社会人留学生も、きっと私と同じ大変な思いをしているでしょうが、持っている目的があるおかげで、卒業後の自分をぼんやりとした形として見ることができていると思うし、先を見失わないで一歩一歩進めるのだと思う。そして修士課程を終えたときには、いいことが待っているに違いない、と信じないとね。まだ半分も過ごしていないのだもん、負けるもんですか(←弱い自分に)!
おーぅ ヾ(`o´)ノ

と、こう勢いづいていられるのも、温かいご助言や励ましをくださる周囲の方々のおかげ。そんな方々への感謝の気持ちを忘れずに、そしてできるだけ「気負い」や「目的意識」にとらわれ過ぎないように過ごすことを心に留めておかないと、と思う、ロンドンの午後でした。
by gwenlondon | 2006-01-21 23:56 | 勉強
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ロンドンに留学していた大学院生です。こちらで見た面白いもの、経験を記録してきましたが、帰国により、ロンドンからの発信は終了となります。これまでありがとうございました。m(_ _)m
by gwenlondon