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民主主義を世界中に広めること
6月26日(月)
ロンドン 雨

「民主主義はベスト」という考えを私は持っています。だってそれに変わるものはありませんし、個人の基本的人権(自由とか、平等とか、政治に関わり自己の意思を表明する権利とか)を重視して、多数決の意思をもって物事を決める原則という定義を見ての通り、個々人の幸福を重視していますし、それはとても大切なことだと思います。

ただ、紛争を経た国の復興支援を行う上で、いきなり非民主主義国家に、民主主義や個人の権利などの考えを付与することで、逆に混乱を招くこともあるのかなと思います。個人の権利を紛争後の国家再建の過程で全面的に保護することができればよいのですが、長期にわたる持続可能な平和を作っていくためには、民主主義を浸透させることに固執せず、個々人の最低限の幸福(暴力を受けないとか、そういう類)を保護することをまずは目指し、もしくは、個々人の権利を一時的ながらも制限することを念頭において、強固な国造りを進め、それから個人の権利の拡大をしていくのがいいのかなぁと思ったりします。



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なぜなら、
(1) 民主主義を実際に根付かせようと、国際社会が努力している国家を探すと、あまり成功例がないように思えますし、民主主義を根付かせる過程で今のイラクみたいな泥沼の戦いを経なくてはならないことが多いようです。血みどろの戦いを経てまで、定着が成功するか分からない民主主義を定着させるべきなのか。また、

(2) 民主主義をベストと全ての国や人が思うのか、つまり非民主国の人々の意思を無視して、民主主義を根付かせることはよいことなのか。なによりも、

(3) 全く異なるイデオロギーから民主主義を根付かせる、つまり人の考えや生活様式、文化を変えるにはどれだけの時間がかかるか想像もできませんが、それを変えるために、民主主義の浸透を進める第三国(主にアメリカ)から、どれだけ真面目に時間や資金の投入が必要か。

それを考えると、民主主義は最良ではあるが、即非民主主義国にそのアイディアを付与するのは難しいのかなと思いますし、人の国の文化を変えるならば、それなりの覚悟を持って第三国は取り組むべきだと思います。

上記3つについて説明した上で、私のアイディアを書きます。

(1)
現在世界中の国を見たときに、民主主義を成功させている国はどういう国なのかを考えてみると、多くの場合、EU諸国、アメリカ・カナダ、オーストラリアくらいではないでしょうか。これらは、自由や個人の権利を得るために戦ってきた歴史を持つ国々です。つまり、ある程度民主主義に対する考えが普及している国々。日本もある程度成功していますが、それはもともとのベースが他の国と違うことも挙げられそうです。例えば、民主主義をそうでない国にもたらし、その国家の破綻を予防するためには、6つの要件がそろわなくてはならないと言われています:(1)国家が国家としての機能を果たしていること、(2)強固な市民社会の存在、(3)強固な政治機能(複数政党の存在、選挙、選挙のルール、立法府の存在)、(4)法の支配、(5)効果的な官僚制度、(6)強固な経済機能。これらを兼ねそろえた上で、民主主義が根付くと仮定した場合、紛争を経て、国家の力が疲弊している、元々非民主主義もしくは民主主義の理論に沿わないイデオロギーが存在していた土地に、いきなり民主主義だけを導入しても、上手くいかないと思われます。国家の上記6つの機能を作り上げるには、かなりの時間と資金を必要とします。そこまで考えて第三国が他の国を支援しているのか疑問。

(2)
それに、民主主義を広めようとしている国は、ウィルソン大統領時代に、民族自決の重要性についても言っていますが、もし民主主義を他国が希望しない場合(ニジェールが過去に国民選挙で民主主義を否決したことがあります)民主主義の押し付けにより、各国の選択の自由を奪っている、つまり他国の民族自決主義を尊重するというアイディアに相反しているともいえます。つまり、民主主義は、代替案がないという意味でベストアイディアと思いますが(正確に言うとgwenは+福祉・環境・医療なども考慮に入れた政策も考えている民主主義の方がいいかなぁと思ったりします)、全ての人たちが同じように思っているとは限らないということも忘れてはいけないと思います。つまり、民主主義を全ての国が希望するということを前提にして議論していいのかという疑問を持つべき。そこから問題を考え直さなくてはならないのではと思います。

(3)
ヨーロッパの場合、民主主義を広めることは難しいことじゃないと思うのですよ。18世紀からフランスを初めとして、人権、自由、民主主義を勝ち取るために、それこそ戦ってきた、そういった歴史があるので、そういったアイディアに対する認識も深いと思います。でも、そうでない国々に民主主義を広めるには、時間がかかるでしょう。人が慣れ親しんだ主義や様式を変えるには、世代の交代が必要なくらいだと思います。民主主義を他国に定着させるためには、それ相応の覚悟が必要だと思います。戦争が終わって3・4年で「はい、大統領選挙を終えました(選挙はまさに、民主主義を根付かせたように見せるにはうってつけの象徴的イベントと認識しています)。もう国際社会による支援は要りませんね」となっては、残された人はどうすればいいのでしょう。本当に民主主義を根付かせたいなら、最後まで責任もって徹底的に関わってよっ、と言いたいだけなのです。国家の再建を適当にやっては、その疲弊した国に残る個々人が結局被害者になると思うのです。

なお、軍国主義だった日本、ナチスドイツ、ファシストのイタリアが上手く民主国家に転換できたのは、結局、元々自由主義のアイディアを持つ人々が大多数いてそれに対する基盤があり、彼らが一時的に抑圧されていて、外部からの支援によって国家の再建が可能だったこと、もしくは寡頭政治や軍事主義、共産主義グループの力は実はそんなに強くなかったということがあげられそうな気がします。何よりも、アメリカによる、上記3国に対する復興支援のコミットは素晴らしいものだったのだと思います。少なくても日本なんて、80年代にはアメリカに脅威を感じさせるくらいの強い国になりましたが、それは、日本自身の努力だけではなく、戦後日本が自国の安全保障について考えず、アメリカの保護の下で、経済成長に特化できる状況にさせてくれた環境、軍事に取り組まないことで野心のある国家と言うイメージを近隣国に与えないで来ることができたというイメージの上でのメリット、+冷戦という環境という超ラッキーな状態であったことは否めないと思います。

じゃー、私の考えは何かと言うと、個人の幸福を最も重要な物として考えた場合、個人の幸福に対する考えで、民主主義、イスラムの教え、その他のアジアの考えに重なる部分は存在するので、そういった重なる部分から、より世界に共通する主義を国際法なり何なりで法制化していくことで、最低限の個人の権利の保護をしていくのがよいのかなと思います。そして紛争後の平和構築段階であっても、そういった人類に共通する考えをまずは導入し、現地の文化を尊重するのが最初。それから、より広い個人の権利や幸福を守っていくという考えを時間をかけて少しづつ広めていくのがいいのかなと思うのです。つまり、「最初に民主主義ありき」ではなくて、「個人の幸福が守られるような環境を作る」ことができればいいのだと思います。そこで各文化の中にある基本的な、個人の幸福や権利が守られていくことで、少しづつ、よりひろい権利の保護に拡大していけるのかなと思います。

なお、「世界人権宣言」が1948年に国連で採択されていますが、内容を見れば1789年のフランスの「人と市民の権利の宣言」やアメリカの「権利章典」にルーツがあるので、西洋製です。つまり、本当の意味での世界中の人たちの文化に共通する権利や個人の幸福の総体を指していないと考えています。

ツッコミどころ満載かもしれませんが、まだまだ修行中の学生と言うことでお許しください。でも、むしろツッコミを入れていただけると勉強になりますし、ありがたいです。

長い文面を、読んでくださりありがとうございます。
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by gwenlondon | 2006-06-27 09:43 | 勉強
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ロンドンに留学していた大学院生です。こちらで見た面白いもの、経験を記録してきましたが、帰国により、ロンドンからの発信は終了となります。これまでありがとうございました。m(_ _)m
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