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カナリーワーフへ:フラット生活を振り返る
6月16日(金)
ロンドン 晴れ

先日、フラットメートが全員で集まれる最後の日に、フラットメート全員で食事に出かけました。というのも、台湾人のフラットメートが一時帰省し、彼がロンドンに戻る前に、他の学生が帰国したり、寮を出たりするためです。学生生活も終盤に差し掛かっているのですね。ちょっとノスタルジックな思い。

ということで、隣の部屋のコメットが、みんなで中華料理を食べに行こうと計画、初めてカナリーワーフ(Canary Wharf)近郊に行きました。カナリーワーフは、パッと見、東京で言うお台場みたいな場所です。お店のある場所は、ユリカモメの青海駅という感じでしょうか。

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タワーブリッジ上からもみえます。このビル群です。

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初めて乗車するDLR(Docklands Light Railway)という電車。始発のタワー・ゲートウェイ(Tower Gateway)が、寮からの最寄り駅。

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電車の型は、こんな感じ。夕日で見にくいですが…。

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このような、のんびりとした風景を楽しんだ後、
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いきなり未来都市登場、という感じです。

中国の人が美味しいというお店だから、すごい楽しみにしていましたが、やっぱりトテモ美味しかった!(空腹で、写真を撮るのを忘れました…)おなか一杯いただけましたが、夕食で一人12ポンド(≒2500円)は、お得ですね。中華料理は一緒に食卓を囲む人が増えれば増えるほど、安くなる気がします。
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この船の上で食事をいただきました。

会話も、香港映画で見るような、彼ら独特のユーモアあふれる会話が繰り広げられて、こんなに面白い人たちだったのかと初めて発見しました。全員で集まったのは初めて。そしてこれが最後。ちょっと寂しいですが、出会いがあったら別れもあるし、仕方ありません。(全員、日本に遊びに行くといっていたから、また会うかもしれませんが…)
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集合写真。食事を終えた後…。

この後、アイスやジュースやお菓子を買って寮に戻り、夜中2時までどうでもいいことを語って過ごしたのでした。

お店:(船にも住所があるなんて!)Σ( ̄□ ̄ )
The Lotus Chinese Floating Restaurant
38 Limeharbour,
Inner Millwall Dock,
London, E14 9RH
Tel: 020 7515 6445





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フラットメートとは、キッチンを含む共用部分の利用や、大騒ぎすることに関して、闘争もありましたが、人間的には普通の人たちです。彼らは皆、中国語圏から来ていることから、私は一人異邦人なのですが、上記闘争以外では、基本的に普通に暮らせました。

中国の学生は、2人集まれば、中国語。となると、フラットでの共用語は無論、中国語。フラットメートも、彼らの友人も、皆んな、中国語しか話しません。(gwenはイギリスに来る前から、中国語を話せます。仕事の関係で。)もし、中国語を話さない人がこのフラットに入居することになっていたら、フラットメート曰く「孤立していた」でしょう。フラットへの学生の割り当て方法に、問題があるといえます。ともかく、このメンバーのおかげで、フラット内では、英国生活ではなく、中国生活を送ることになり、勉強になりました。中国大陸から来た、彼らの文化、生活習慣、食生活、考えなど等、色々な意味で。逆もまた然りかと思います。彼らからしたら、語学の勉強にならなかったでしょうが、異国で孤独に机に向かう日々を同郷人と励ませる環境にいて、精神的にはよかったのでしょう。

この寮に来たばかりのときは、フラットメートからは、靖国参拝のことやら、南京大虐殺のことなどまで、攻撃的に質問されたりしましたが、一緒に暮らす時間が経つにつれ、私のことを「帝国主義的日本人」と見なくなり(多分・笑)、個人と見れるようになったみたい。フラットメートたちは、日本人と暮らしたことも、仕事をしたことも、友人もいないから、教育やメディアを通じて得た情報から、日本を判断するのは当然のこと。

私からしたら、彼らを個人としてみるということについては、当初から何ら問題ありませんでしたが、職場で出会った中国大陸出身の人にしか出会ったことがなかったたこと(そして彼らは、日本が大好きで、バランスの取れた人たち)から、大陸から直接来た彼らって、どんな人だろうという楽しみと、初日から多数の中国人のハブになっていたこのフラットで生活することに、懸念を持っていました。
互いに、互いに対して、ある程度バイアスがあったと思います。

バイアスというのは人間誰もがもっている物だと思います。人は社会的な生き物だから、人が集まって出来上がるコミュニティーに属して暮らすのでしょうが、そのコミュニティー内でも、「自分と他人との違い」を無意識的、意識的を問わず、心に留まるものかなと思います。同郷人同士のコミュニティー内の個々人との違い、コミュニティーとコミュニティーとの違い、国と国との違い、色々なレベルがあるけれども、他者と自分との違いを感じることは、程度の差はあれ、誰にでもあると思う。違いを感じること自体は、問題ではないけれど(各人に個性があること自体、当然であるように)、そこから、相手に対し、精神的・肉体的に攻撃するようになったら問題なのでしょう。違いを完全に理解するのは不可能だけど、「自分の目で見聞きすること」を通じて、違いに対する理解を深めたり、逆に広げることになるのかな、と思います。(←こういうことを学問的に勉強したことがないので、正しいか知りませんよ~)

フラットメートたちは、日本人と一緒に暮らし、時間を過ごしてみて、教育や外部からの情報で見た「日本人」という括りで、相手を見るのではなく、自分の目で見て相手を判断するようになったのではないかと思います。つまり、私が何か特別なことをしたと言う意味ではなく、日本から来た人と暮らしてみたら、同じように笑い、悲しみ、勉強に苦戦する、普通の人だということが分かった、ということです。ちなみに、日本人はキレイ好きで、散らかしっぱなしだとキレるという印象を与えてしまったかもしれません(笑)。

でも、台湾の人に対しては、日本の人に対してよりも、若干厳しいのは代わりませんでした。台湾のフラットメートが会話の中で「台湾国内だと…」と言えば、「台湾は国内じゃないよ」とツッコミが入り、「台湾省は存在しない」と切り返せば、中国人フラットメートから「福建省の一部みたいなもの。だから今回の一時帰省も、福建省に帰るのよ」と返され…。自国の国内問題になると、また別なのでしょうね。

イギリスに来て、様々な人が居る大学院に来ているのに、自分がロンドンにいるのか、北京にいるのか分からないフラット生活を送り、闘いもありましたが、総じて言えば、このフラットに生活して、良かったと思います。そして、そう思えるようになって、よかったです。
by gwenlondon | 2006-06-17 06:30 | 生活
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ロンドンに留学していた大学院生です。こちらで見た面白いもの、経験を記録してきましたが、帰国により、ロンドンからの発信は終了となります。これまでありがとうございました。m(_ _)m
by gwenlondon