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難民・外国人受け入れ記事に思う
イギリスやロンドンとは下記でこじつけますが(笑)、日本の難民認定と外国人の受け入れに関する記事が目に留まりました。

日本経済新聞(2006年2月24日)によると、法務省の入国管理局によると、2005年中の難民認定者数は前年比31人増の46人、人道的配慮に基づく特別滞在を許可した人数は前年比88人増の97人。合計して143人となったこと。これは、1982年の難民認定制度の開始以降、最高の数値。不認定者の異議審査に民間人が加わる難民審査参与員制度の導入が、認定者数の増加に影響しているのではと、難民支援団体のご意見。

読売新聞(2006年2月25日)によると、新潟県が、人口減少に悩む佐渡島への外国人移民の永住受け入れを検討している。県知事は県議会で表明、佐渡市長も積極的な姿勢を示している。佐渡の人口は1950年の約12万5000人をピークに、2005年には半数近くの約6万7000人(速報値)にまで落ち込んでいるとのこと。

難民受け入れ数が昨年の10倍になったとのこと、外国人の受け入れをしていきたいと、県レベルで話が出ていること。これらの記事を見て、今後日本が、将来的な少子高齢化と人口減少による経済に対する影響などを考えた、外国人の積極的な受け入れという選択肢を取るという話が、現実味を帯びてきたと思いました。

もちろん、難民受け入れと、外国人の人口減に伴う受け入れは、性質が全く違うから、一緒に議論するのは乱暴ですね。前者は、紛争や迫害を受けて命からがら国境を越えて逃れてきた人たちで、難民条約に加入している国ならば、正統な難民を庇護するのは当然のこと。後者は、労働力の支援的な、経済的要素を含んだ移民ですから。

とはいえ、両者とも外国人であるのは同じ。彼らの受け入れや、彼らとの共存に対する日本の人たちの心構えだけではなく、そのための法的整備、環境整備、という点では全く接点がないとは思えませんし、そのためにすべきことは沢山ありそうです。



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2004年1月~12月の間に、日本国内で難民認定された人数は16人、人道的配慮に基づく在留特別許可が認められた人数は9人。これと比較しても、2005年中に認定された難民、特別滞在許可の数はけっこうな増加ですね。
イギリスの同時期における難民申請者数は7万5200人、難民認定者数は1万2925人、在留特別許可を受けた数は4185人と、日本とは規模が全然違います(UNHCR統計資料より)。他の先進7か国の難民受け入れ状況を見ても、イタリアは数値の発表を控えているから別として、イギリス並みか国によってはそれ以上です。
ヨーロッパは歴史的に難民を受け入れてきたこと、旧植民地からの難民受入数が多いこと、ヨーロッパ大陸は地続きだから、地理的にも日本とは異なる、受入国の人口と難民受入数との比較をしなくては本当の公平な数字が分からない、などなど色々な理由(言い訳)を思いつきますが、ともかく日本の受け入れ人数との単純比較はできないのも事実。

しかし、難民受け入れ審査は、2005年5月以前まで、法務省とその関連機関が独自に行っていました。日本にも国連難民高等弁務官(UNHCR)日本事務所がありますが、難民認定はできず、法務省に対し助言的な意見しか提供できません。それには法的拘束力もないし。それにこれまで、庇護希望者が難民申請手続きで却下されて、裁判所で異議申し立てをしても、異議申し立てを審査をするのも法務省の機関で、審査過程に第三者が入ることはなかった。審査の透明性が疑問視されるのも当然。そのため、昨年5月に難民審査参与員制度が導入されたのは、とても健全な動きといえます。そして、それが難民認定者数の増加に寄与しているならば、制度導入以前の審査のあり方に問題があったと言えるでしょうね。

それ以外にも、この2・3年、日本国内でも難民に関する大きな動きがありましたね。列挙すると、
・2004年夏、クルド系庇護希望者2家族による、東京にある国連大学ビル前での座り込み。
・2004年8月に法務省の職員2人が、日本で難民申請中の庇護希望者の難民申請にかかわる情報を出身国に提供した事が発覚。(出身国への情報提供は、難民条約上の国際基準違反。単純に考えても、「出身国から迫害されている」と言っていることが出身国に知られたら、逆に出身国に残る家族や庇護申請者が危険にさらされる可能性がある)
・2005年1月の、UNHCRが「事務所規程」で難民と認定した上記1家族の2名が、トルコに強制送還された。これはBBCだけではなく、Guardian、Herald Tribuneなど、主要英字紙がこぞって取り上げていました。
・そして、2005年5月の、難民参与員制度の導入
と、動きがありました。こういう問題を国内外のメディアが取り上げたことにより、政府、難民認定審査機関に多少プレッシャーを与えたのではと推測。

難民受け入れ数が昨年の10倍になったとのこと、外国人の受け入れをしていきたいと、県レベルで話が出ていること。これらの記事を見て、今後日本が、将来的な少子高齢化と人口減少による経済に対する影響などを考えた、外国人の積極的な受け入れという選択肢を取るという話に、現実味を帯びてきたと思いました。ちなみに、難民受け入れと、外国人の人口減に伴う受け入れは、性質が全く違うから、一緒に議論するのは乱暴ですね。前者は、紛争や迫害を受けて命からがら国境を越えて逃れてきた人たちで、難民条約に加入している国ならば、正統な難民を庇護するのは当然。後者は、労働力の支援的な、経済的要素を含んだ移民ですから。
と考えると、現在の「出入国管理及び難民認定法」が、外国人の出入国在留、国民の出入国、難民認定を一緒くたに扱っていること自体、不思議ということに…。

とはいえ、両者とも外国人であるのは同じ。彼らの受け入れ、彼らとの共存、に対する日本の人たちの心構えだけではなく、そのための法的整備、環境整備など、という点では全く接点がないとは思えませんし、やることは沢山あります。

現在の難民に対する支援は、とても限られています。難民認定をされても、外務省から委託を受けたNPO法人やNGOが限られた資金の中で支援を提供している状況。庇護希望者(難民申請中で、まだ難民と認定されていない人)に対する支援はもっと限られています。場合によっては、収容所で収容されるということもあるそう。難民申請者=犯罪者ではないのに、人権的観点から見て問題では。
イギリスの場合は、庇護申請者であっても、条件が満たされれば、基本的な生活費の最高70%が提供されたり、居住先がなければその提供もある。健康保険も受けられる、と最低限のニーズを満たすための支援がなされています。
これまでの、日本のメディアの報道を見ると、受け入れ数に関する記事や、上記座り込みのような記事、難民認定裁判に関する記事が多いけれど、受け入れ後の彼らの処遇に関する議論があまりなされていないよう。その種の記事が増えるといいのになぁと思ったりします。

(ちなみに、日本のNGOは最近少しづつ社会での認識が高まっているようにも思いますが、集金力、活動力をイギリスと比べると、どうしても弱いですね。イギリスでは19世紀からNGOが活動していたし、チャリティーとか募金という概念が生活に浸透していることから、NGOの集金力も強く、独立して活動できています。日本のNGOがどうすれば力を付けられるかも考えなくてはならない問題ですね。)

外国人の受け入れについても、もし本当に今後人口減少を補足するためにそれを選択肢として取り入れるとしたら、彼らがどうやって尊厳を持って日本国内で生活していけるようにするのか、各種保障(最低賃金、怪我の保険、労働環境・時間など、労働基準法に出てくるような保障の提供)の問題、日本語の教育支援、ご近所さんと上手くやっていけるように日本文化の教育・情報提供(ご近所さんの異文化を受け入れる心構えの問題も関わってくる)など、色々な問題が出てくると思います。無論、受け入れる日本側の心構えも大切。

将来、日本もロンドンみたいに多国籍な人たちがひしめく国になるのかな。そうしたら、今のヨーロッパの移民の問題は、対岸の火事では済まされなくなりますね。日本が本当に外国人の受け入れを積極的に行うことになったとしても、ヨーロッパに前例があるから、そこから上手く学んで政策を作っていけるはず、という意味では、ある意味日本はラッキーかも。
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by gwenlondon | 2006-02-27 02:07 | 勉強
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ロンドンに留学していた大学院生です。こちらで見た面白いもの、経験を記録してきましたが、帰国により、ロンドンからの発信は終了となります。これまでありがとうございました。m(_ _)m
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