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選挙権の行使の仕方
今日のロンドンはうす曇り+0℃をうろうろしていたみたい。

今日やっと! 今週締め切りのエッセーを提出しました。
書き上げたのは、セミナーが始まる1時間半前。そう難しい内容ではなかったのですが、書くべき情報が膨大であったため、読書量が多く、そしてそれをまとめるのが大変で1週間かかりました。睡眠も4時間くらい…。今日は沢山寝ます!

今日のセミナーは批判主義についてでした。オーソドックスな国際関係の理論は、国や安全保障などに焦点を当てて国際関係を説明しようとしています(代表的なものとして、ネオ・リアリズムとかネオ・リベラリズムとか)が、批判主義は、そういった既存の枠組みを批判し、歴史と歴史から現在に至るまでの流れと、全体的な世界秩序に着目しています。それに関連していくつかの理論があり、例えば歴史的物質主義(日本語は拙訳 historical materialism)なんかは、発展した国が発展途上国を搾取しているため、途上国の発展を妨げているという考えを持ち、国際政治経済関係を、世界の中のコアな国(Core, centre)と周辺国(Periphery)という視点で国際関係を見ています。

なのに、セミナーでは民主主義についての議論が大半を占めていました。
きっかけはギリシアから来た学生の質問。

「セミナーとは関係ないのですが、イギリスにきて驚いたことがあります。こちらでは選挙に行くのが義務ではなく、行きたい人がいけばいいのですよね。これは私にとって、大きな疑問です。民主主義国家であるのに、なぜイギリスやアメリカの人々は選挙の権利を行使しようとしないのでしょうか。」

全然セミナーと関係ないし!! とはいえ、興味深い質問です。

彼女曰く、ギリシアでは、投票権を行使することが法律で義務付けられており、もし正当な理由を提示せずに選挙へ行くのを怠れば、刑罰に処せられるそう。罰とは、罰金もしくは数か月(!)投獄を意味するそうです。最近法律が改正され、身分証さえ提示すれば国内のどこででも投票ができるようになったとのこと。

イギリスからの学生の返答は「各政党が本当に一般の人々の利益に乗っ取って政治を行っているという意識が一般の人々に普及していない。特に、フランスなんて、アフリカから来た人たちの利益を代表する政党、ムスリムの政党、その他色々な政党があるが、かれらは自分たちの利益を守ることだけ考えていて、個々人の幸福という観点で物を見ていない」ということ。

アメリカからの学生の返答は「選挙で大統領を選んだり、州知事を選んだりすることで、一般の人々は日々の問題を解決するのに直接つながっているとは考えていない。そのため、選挙に関心を持たないのではないか。アメリカには、各地域に地方の協議会(Council)があるが、そこへ行けば議会の人と直接話をして問題を提示できるし、電話すれば、そこの職員が話を聞いてくれて、解決を図るよう努力してくれる。しかし、州政府に連絡しても、職員が話を聞いてくれるかもしれないが、それが解決につながるわけではなく、さらに州知事に電話しても、留守電が対応するだけで、残したメッセージがどうなっているかなんて見えない。コミュニティーにつながっている団体が結局問題を解決するのだからね。
イスラエルとか台湾になると、民主主義を享受しているとはいえ、国のトップがその国の存亡の鍵を握るので、選挙率は格段に高いが。(注1)」

民主主義とは、国民が主権を持ち、国民の意思をもとにして政治を行う主義のことを言うとすると、私にとって成熟した民主主義というのは、自由民主主義を意味するのですが、ギリシアの民主主義には自由が付かないのかもしれません。個人の自由な活動を重んじるという意味での自由主義がない、つまり選挙権を行使しない自由がないということでしょう。ちなみにギリシアとは関係なく、色々な種類の民主主義があるのだなー、という意味で言うと、ヒットラーも民主的な手法で選ばれており、ナイジェリアでは、選挙で民主主義を否定する政党が選ばれたり、先日のパレスチナ選挙でも、強硬派が選挙で選ばれていますね(=市民はイスラエルに対する強硬派の政策を支持している!)。

「日本の場合は、(一般的ですが)政治に無関心の人が多い。その背景には、日々の生活の基本的なニーズが満たされていることから、国政に関心を持たなくてもそれなりの水準で生活ができるし、外国からの攻撃という意味での安全に対する危機感があまりないことから、安全保障に対する関心も低いのでしょう。そして、国政に対する関心の低さが、その国の安定さを多少なりとも表していると思う。」

と、授業の後にギリシアの学生に話したら、権利があるのに行使しないなんて信じられない。生活に満足するなんてことがありえるの? 政府を監視できるのは、一般の国民の義務であり、彼らが間違った方向に行かないように見るためには、選挙に参加しなくてはならないはずよ。と言っていました。まさに正論、その通りです。同意。絶対にそうあるべきだと私も思います。

でも、それを多くの人が理解して、政治について考えるようにつなげるには、どうすればよいのでしょう。日本では選挙が行われる数か月前に、タレントや有名人がポスターで「投票に行こう!」とか呼びかけているわけですが、これはこれで、何となく変な感じ~とも思いました。政治について考えさせるというよりも、投票率を上げることを目的にしているように見えますもの。投票率をあげるためだけの広告なんて、意味なし。
もちろん、有名人ポスターについては、ギリシアの学生に言わないでおきました…。

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注1:アメリカの学生の意見は一部誤っています。2000年の台湾の国民投票の投票率は45%。これは高いとはいえないと思う…。以前台湾の人に台湾の安全保障についての台湾の人の関心の高さってどうなのと聞いたところ、「結局ずーっと現状維持状態が続くのでしょうし、こんな政治の話を毎日のように聞いていて、若い人は正直うんざりなのよ。それに選挙に行っても行かなくても、今の生活が変わるわけではないし」、という返答が帰ってきました。つまり台湾の人の多くは、今の安定した経済状況=生活に満足していて、さらには特に若い世代は、中国大陸による侵攻ということを想像できないような安全な環境で育ったから、国の安全に対する関心の度合いが薄いのかもしれません。
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by gwenlondon | 2006-02-04 10:59 | 勉強
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ロンドンに留学していた大学院生です。こちらで見た面白いもの、経験を記録してきましたが、帰国により、ロンドンからの発信は終了となります。これまでありがとうございました。m(_ _)m
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